クレーム対応をした後、どうしてもその出来事が頭から離れず、何度も繰り返し考えてしまうことってありますよね。
- あの対応で良かったのだろうか…
- もっとこうすべきだったのでは?
このように頭の中で繰り返し反芻してしまい、なかなか気持ちを切り替えられないことも多いと思います。
そこで今回は、そんなクレームが頭から離れないときのメンタル維持方法を、店長として様々なクレームを受けてきた経験を基に解説していきます!
私も様々なクレームで悩んでいましたが、今回紹介する方法でメンタルを保てていたので、ぜひ参考にしてください!
クレームが頭から離れない理由

クレームが頭から離れない現象には、
- 責任感
- 後悔
- イライラ
- 心理的なプレッシャー
このようなものが大きく影響しています。
特に強い言葉のクレーム受けると、
- また同じミスをするのが怖い
- もっと適切な対応をするべきだった
- 信頼を失ったかもしれない
と考え込んでしまうことが多いですよね…
また、相手が悪いのにクレームを入れられた場合はイライラが募り、「言い返せばよかった」「強気で対応すればよかった」と後悔の念にかられてしまうことも多いでしょう。
自分に非があるとしばらく不安が続き、非がない場合でもイライラが頭から離れませんよね…
クレームにより自分を責めてしまうときの考え方

自分に非があって正当なクレームを受けてしまった場合、不甲斐なさで自分を責めてしまい辛い気持ちになりますよね。
ですが、過去の出来事は変えられませんし、ミスは誰でも起こしてしまうものなので、自責するのではなくクレームへの考え方を切り替えることが大切です。
ここからは、クレームの不安や焦りで冷静さを失わないように役立つ考え方を紹介します!
反省はしても自己否定はしない
クレームを受けて反省することは大切です。
ただし、
この考え方が非常に重要になります。
ミスをしたことのない人なんて存在しないので、ミスをした自分を否定するのではなく、反省をして次に活かすという考え方に切り替えましょう!
ミスや問題点を認めて改善策を考えることと、自分の能力や存在を否定することは別問題です。
完璧を求めすぎない
仕事の中でミスをすることは誰にでもあります。
完璧を目指しすぎると、
このようなマイナス思考の原因となります。
クレームがあっても、それに対応しようと努力する姿勢が大切で、完璧であることに固執する必要はありません。
そもそも、完璧に対応したのにクレームを入れてくる人だっています!
他人の意見に自分の価値を委ねない
クレームがあっても、それが自分自身の価値や能力に直結するわけではありません。
他人の意見や指摘を重要視しすぎると、クレームに対して過度に感情的になり、自分を責めることにつながります。
自己否定感を強めないためにも
という意識を強く持ちましょう。
クレームは状況に対する反応であって、あなたの全てを否定するものではありません!
クレームは成長の機会だと考える
クレームを個人的な批判として受け取らずに、
このように前向きに捉えましょう。
クレームを通じて得られる情報は成長や改善に大いに役立つので、
- メモを取る
- マニュアル化する
- わかる人に詳しく教わるなど
次に繋げる機会だと考えることが重要です。
私も店長時代は多大なクレームでメンタルを病んでいましたが、一度起こったものは対策を徹底的に調べ上げてマニュアル化し、
これで次に起こってももう大丈夫だ!
という安心感を得ることで、クレームを頭から切り離せていました。

クレームの不安やストレスを和らげる方法

誰かにクレームを共有する
頭の中でクレーム対応のことばかり考えてしまうと、その感情がどんどん膨らんでしまいますね。
そんな時は、信頼できる誰かに自分の悩みや愚痴を打ち明けるのもひとつの手です。
誰かに共感してもらうことで、自分の感情が少し軽くなることもあります!
もしも
- 相談相手がいない
- 愚痴を言うのが恥ずかしい
という場合は、匿名のコミュニティなどで同じ悩みを抱える人たちへ打ち明けてみるのも良いでしょう。
愚痴系アプリで有名なものだと、「HONNE」「ilka」「タンバリン」といったものがあるので、こういったツールを試してみるのもおすすめです。
仕事とプライベートの線引き
クレームが頭から離れない場合は、仕事とプライベートを完全に分離しましょう。
これができると、クレーム以外の仕事関係のストレスも減少させることができます!
この線引きのコツとしては、
ことです。
そして、仕事が終わったらクレームのことは一切考えないと決めて、プライベートの時間ではしっかりと心を休ませましょう。
仕事中に起こったことは仕事の一環として昇華し、プライベートに持ち込まないように意識をすると心が楽になります!
長期的な視点で考える
クレーム対応をすると、その時には非常に大きなストレスとして感じられるものです。
しかし、そんな悩みも時間が経つと和らぐことがほとんどですよね。
そのため、
この不安が永遠に続くのかな…
このようなゴールが見えない考え方をすると余計に悩んでしまうので、
といった、数日後には不安がなくなるというゴールが見える考え方をしましょう。
今感じている苦しさや不安は一時的なものなので、長期的な視点で考えると気持ちが楽になります!
他人のやらかしエピソードを調べる
正当なクレームも悪質なクレームも、頭から離れないときには、
- 他の人たちのやらかしエピソード
- クレームの体験談
を調べてみるのがおすすめです。
世の中には想像もつかないレベルの重大なミスをしている人や、ありえないほど理不尽なクレームを入れられている人がごまんといます。
そんな人たちの経験談を見てみると、自分の悩みが小さく感じるはずです。
400億円超の損失を出したミス
みずほ証券の担当者が「1株61万円」の売り注文を「61万株1円」と誤発注をしてしまい、誤りに気がついたみずほ証券が取り消しをしようとするもバグで取り消せず、結果的に400億円超の損失を出した。
このような重大すぎるミスと比べたら、私たちの悩みやミスなんて鼻くそレベルです!
もっと身近な体験談だと、Yahoo知恵袋で「やらかしエピソード」や「迷惑客」「クレーマー」と検索すればたくさんの投稿が表示されます。
悪意のあるクレームだった場合の対処方法

クレームは正当なものばかりではありません。
ときには
- 頭のおかしな人
- 偉そうな人
- 暴力的な人
など様々な迷惑系のクレーマーがいます。
そして、相手がそんな悪質なクレーマーだった場合は、事後の対応や反省よりもクレームを受けている最中の対応の仕方が非常に重要です。
毅然とした態度で対応する
悪意のあるクレームには、
ことが重要になる場合が多いです。
無理な要求や理不尽な言動に対して下手に出てしまうと、弱気な人認定をされ、更に要求がエスカレートしていくリスクがあります。
そのなかでも特に、
- 憂さ晴らしで迷惑行為をしてくる人
- 店員を見下して絡んでくる人
の場合は、こちらが申し訳なさそうに対応をすると調子に乗ります。
そのため、下手に出たり感情的になったりせず、
機械的に淡々と「こちらが正しい」という根拠を明確にしながら対応する。
このように強い説得力を持たせて対応しましょう。
相手をヒートアップさせないように、あくまでも”機械的に”を意識しましょう!
発言には細心の注意を払う
店員が少しでも言葉遣いが荒くなったり間違った返答をすると、クレーマーはすかさず揚げ足を取ってきます。
そのため、対応や発言には細心の注意を払う必要があります。
あとあとこちらが不利な状況追い込まれないためにも、一時的な感情に流されないことが大切です。
無理なことは断固拒否する
無理なことはしっかり断る姿勢を持つことが大切です。
対応が可能でない要求については、
ということを明確に伝えます。
悪意のあるクレームに真摯に対応する必要はないため、こちらが無理してまでクレーマーの要望に応える必要はありません。
曖昧にしたり、無理して対応しようとすると要求がエスカレートするだけなので、毅然とした態度で「NO」を伝えることを心がけましょう。
自分で判断できない要求をされた場合はすぐに回答はせず、「確認するのでお待ちください」と伝えて責任者に確認しましょう。
ルール(規約)を提示し、こちらが正しいことを強調する
店舗やサービスには定められたルールがあります。
そのため、それを超えた要求に対しては、ルールや規約を根拠にし正当に拒否をしていることをアピールしましょう。
ただし、ルールをも捻じ曲げてくるクレーマーも存在するため、そういった場合は法律的な根拠を強調するのも一つの手です。
カスハラは違法行為にあたることもあるので、クレーマー自身のリスクになることを教えてあげましょう!
カスハラに該当するような対応を受けた場合、下記の法的根拠を提示することができます。
脅迫罪(刑法第222条)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
引用:e-GOV法令検索
「痛い目に遭わせるぞ!」などと、危害を与える内容を告げて脅した場合は脅迫罪が成立する可能性があります。
強要罪(刑法第223条)
生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
引用:e-GOV法令検索
脅迫や暴行を用いて、「土下座しろ!」のような義務のないことを無理やりやらせようとした場合は強要罪が成立する可能性があります。
恐喝罪(刑法第249条)
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
引用:e-GOV法令検索
「慰謝料払え!」「無料にしろ!」のように相手を怖がらせながら過剰な見返りや金品を要求をしてきた場合は恐喝罪が成立する可能性があります。
不退去罪(刑法第130条)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
引用:e-GOV法令検索
店舗やオフィスで悪質なクレームを続け、退去を求められても従わない場合は不退去罪が成立する可能性があります。
威力業務妨害罪(刑法第234条)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
※前条:虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
引用:e-GOV法令検索
暴力だけでなく、しつこいクレームなどによる営業活動を妨害する行為があった場合は威力業務妨害罪が成立する可能性があります。
また、実際に業務が妨げられていなくても、業務を妨げる危険性がある時点で成立する可能性もあります。

クレーム対応の上手い言い回し

自分に非があるときの例文
正当なクレームに対しては、誠意と迅速な対応、そして具体的なアクションを伝えることが成功のカギです。
例文
- 「ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。すぐに確認させていただきます。」
- 「確認不足でご不便をおかけしました。今後はこのようなことが起こらないよう改善に努めていきます。」
- 「お客様のお声を重く受け止め、サービスの向上に努めます。貴重なご意見をいただきありがとうございます。」
- 「ご不便をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。至急担当部署(責任者)と確認し、対応させていただきます。」
- 「ご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。迅速に対応させていただき、改善に努めます。」
自分に非がないときの例文
迷惑客からのクレームのときには毅然とした態度で対応することも大切ですが、その場を収めるために謝罪が必要になるケースも少なくありません。
そんなときのために、「断りの例文」と「謝罪の例文」の2種類を紹介していきます。
断る例文
- 「こちらの立場としても難しい点がございますので、ご理解いただければ幸いです。」
- 「この件については、明確なルールがあり、それに基づいた対応となりますのでご了承ください。」
- 「お客様のご希望に沿いたいところですが、規則上対応しかねる内容となっております。」
- 「こちらの立場としても柔軟な対応を心がけたいのですが、今回の件だけ例外にするということはできません。」
謝罪例文
- 「行き違いがあり、ご不便をおかけしました。今後のためにも、しっかり確認してまいります。」
- 「ご迷惑をおかけした点はお詫び申し上げますが、事情を再確認させていただきます。少々お待ちください。」
- 「今回の件でご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。対応を見直し、改善してまいります。」
- 「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ございませんでした。解決に向けて、できる限りサポートさせていただきます。」
AIを使って無感情にクレームを処理する裏ワザ

クレームの対応をするとき、メール文や電話での返答内容を考えていると、
- 面倒くさい客だな…
- なぜこんなことで謝罪しなきゃいけないのか…
など、嫌な感情が湧いてきてしまいますよね。
気にしないように意識していても、実際にその対応に時間を充ててしまうと、どうしてもマイナスな気持ちになってしまうかと思います。
ですが、AIにクレームの内容を読み込ませれば、人間が対応するよりも丁寧に早く返答を作成してくれるため、クレームを気にしにくくなります。
実際にクレームが来た想定で、下記画像のようにAIへクレームの内容を投げてみました!

すると、これだけの指示でAIが自動で文章を作成してくれます。


このように簡単な指示を出すだけで文章を考えてくれるので、クレームに対して割く時間を大幅に削ることができます。
さらに、こちら側はクレームに対して考えなくても良くなるので、無駄にストレスを貯めることなく対応することが可能です。
「ChatGPT」というアプリ、もしくはWebサイトを使えば、こういった処理も無料で行えるのでぜひ試してみてください。
まとめ:クレームに対する考え方を変えるのが鍵

今回はクレームが頭から離れないときの対処方法について解説しました。
クレームを受けると自分を否定された気持ちになってしまい、不安やイライラといった負の感情に繋がりがちです。
しかし、クレーム一つであなた自身の価値が決まるわけではないことを覚えておいてください。
今後は、正当なクレームはサービス向上のためのフィードバックとして捉え、悪質なものは毅然とした態度で断るなど、クレームに対する考え方を変えていきましょう。
そうすることで、クレームで悩むことも大きく減少するはずです。


